無料の古紙回収が進んでいる理由

無料の古紙回収が進んでいる理由

無料の古紙回収が進んでいる理由 日本は無料の古紙回収が様々な場所でなされています。それぞれ住んでいる地域で、町内会などの単位で集積所が設置され、定期的に回収がなされています。また、回収業者がオフィスやお店を巡回して、専用のトラックを使って集めていくのも一般的なこととなっています。大型の商業施設やスーパーなどにも、ペットボトルやプラスチック容器と同じように、雑誌や新聞紙、段ボールなどを置いていく場所が作られています。

こうした取り組みによって、国内における古紙収集率は右肩上がりで上昇しています。1908年代には50パーセントを下回っていたのが、2007年には75パーセント近くになっています。それに伴い、古紙利用率つまり無料の古紙回収によって集めた資源を、新たな紙製品にする割合も高くなっています。やはり2007年には、60パーセントを超えています。このように、日本は世界的に見ても紙製品のリサイクルが進んでいて、森林資源の保護を積極的に実施できているのです。

このような紙資源のリサイクルが進んでいる要因は、やはり政府や自治体の取り組み、民間の協力が大きいです。同時に、再利用のための技術が進歩しているというのも注目すべき点と言えます。たとえば、無料の古紙回収によって集まったものを溶解する技術があります。パルパーと呼ばれる特殊な釜の中に古紙を投入して、そこに苛性ソーダ、インク除去剤といった薬剤を適切な配合で入れます。そして、かき混ぜることによって、スラリーという泥状になります。このプロセスによって、インクが取り除かれきれいな質の再生紙を作る下地ができますし、いろいろな形に成型するのが楽になります。

他にも、パルプ繊維をもみほぐす機械や繊維を絞っていくマシンによって、さらにインクの除去と漂白作業を行うことができます。高速かつ繊細に作業を行うマシンが開発されていて、滑らかな紙を作るのに役立っています。

また、無料の古紙回収によってできたものを、紙以外の製品にリサイクルする技術も進んでいます。たとえば、活性炭にするという利用法です。炭化炉で熱をかけて炭にすることによって、有害物質や臭いなどを吸着する活性炭を作ることができます。セルロースファイバーという建築用資材にも再利用されています。特殊な加工をすることによって、撥水性や防燃性を持たせます。パルプという天然繊維の特性を生かして、断熱材や吸音材として加工することができ、様々な場所で活用されています。

〔トピックス〕